鎖骨下動脈スチール症候群subclavian steal syndrome




 鎖骨下動脈の椎骨動脈起始部中枢側が動脈硬化症あるいは血管炎などによって閉塞すると、主として健側椎骨動脈血が患側椎骨動脈を逆流して上肢への側副血行となり、めまいや一過性失明、あるいは失神発作などの椎骨脳底動脈不全症状を呈することがある。この場合、患側上肢では脈は弱く触れ、動脈圧は健側に対して20mmHg以上低下し、また鎖骨上窩に血管雑音を聴取できることが多い。

 図1のように鎖骨下動脈起始部より約7mmの位置に約1mm程の狭窄がみられこの狭窄部位の拡張及びステント挿入が施行された。まず左肘動脈より7Frのロングシースを挿入し先端を椎骨動脈起始部より遠位に留置した。右鼡径動脈より4Frシースを挿入、カテーテルを大動脈弓部より図1のように狭窄を確認するために造影を行った。つづいてバルーンカテーテル(径7mm)ロングシースより挿入しPTAを数回施行、図2のように血管径が3.5mmまで拡張した。つづいてステントを挿入し、図3のように拡張することができた。

図1 図2 図3