胆石イレウス


  胆石イレウスは1〜数個の大きい胆石症の稀な合併症である。おそらく胆石の重量のために、石の存在した胆嚢壁は炎症を起こし、壊死を起こしてくる。胆嚢のこの部分は、十二指腸あるいは小腸との間の癒着を起こすが、持続する胆石の重さのために胆嚢から小腸へ通じるろう孔が形成される。総胆管内の大きな結石は同様機序により十二指腸へ入り込むこともある。胆石はろう孔を通過すると、普通は回盲弁部のような小腸の生理的狭窄部にひっかかり、そこで腸管を閉塞する。もし、急性腸閉塞を有する患者にレントゲン検査で胆管系に空気像が見られると、胆石イレウスの診断は確実となる。普通は嚥下された空気は幽門や十二指腸分を通るのと同様、簡単にろう孔をも通過する。