バスケットカテーテルによる胆管結石の除去

エコー上、総胆管内にφ10mm前後のmassをみる。
ERCP
*1を施行したところ、総胆管内に腹部エコーと一致した胆管結石(Photo-1)が認められた。
EST*2を施行し、バルーンカテーテル(Photo-2)及びバスケットカテーテル(Photo-3)で排石(Photo-4)を行った


(Photo-1)胆管結石 (Photo-2)バルーンカテーテル
(Photo-3)バスケットカテーテル (Photo-4)除去


 *1 EST(Endoscopic Sphincterotomy)
    内視鏡的乳頭活約筋切開術

総胆管結石を除去するため石が大きすぎてファーター乳頭から取り出すのが困難な場合
ERCPの手技で胆道内に高周波ナイフを挿入し、電流を通じて乳頭活約筋を切開する。
ファーター乳頭の切開により、結石の自然排泄が見られない時はバルーンカテーテル又は
バスケットカテーテルで除去する。又、より大きい結石については砕石器を使用しながら
砕石し結石除去する。


 *2 ERCP(Endoscopic Rerograde Cholangio Pancreatogaphy)
    内視鏡的逆行性胆管膵管造影
内視鏡(側視鏡)を経口的に挿入しファーター乳頭開口部を見つけ膵管、胆管を造影する。
膵管については後腹膜臓器である為、診断の困難な臓器です。
通常は超音波(US)やCTが検査法として選ばれますが、特に膵炎、(小)膵癌のような精密
な診断はERCPが実施される。
胆管については、胆道結石、胆管癌、胆石症、胆道の形態異常の診断に適応される。


検査方法
 当施設では唾液、胃液の分泌抑制、咽頭表面の麻酔(キシロカインビスカス)を2回(各5分間)、検査開始前に抗コリン剤(セスデン)を投与し前処置として行います。
造影剤は60%ウログラフィンを使用しています。膵管では2〜4mL、胆管は胆嚢への造影剤流出を考慮し5〜15mLぐらい使用します。膵管に比べ胆管造影では造影剤を希釈することがあります。これは乳頭腫やX線透過性の結石を見落さないようにする為です。
膵臓の病変を疑う場合は、膵管の描出が確認されたら膵管壁のサッカを行い、膵液と膵管組織を病理分析をします。
造影時には膵管造影では造影用チューブを抜去して撮影を行うと造影剤が、十二指腸に流出し鮮明な画像ではなくなるので造影用チューブを抜去せず撮影します。 



総胆管結石(cholendocholithiasis)について