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センブリ 日本各地、朝鮮半島、中国に分布し、日当たりの良い草地、山野に生える越年草です。草丈は10〜20cmほど、直立する茎は四角で、葉は1.5〜3.5cm、花は8月〜11月に白い花弁に紫色の条線のある花を多数、円錐花序につけます。日本の代表的民間薬としてよく知られています。古くは、1713年『和漢三才図会』には、「今の人は、専ら当薬で子供の肌着を黄色に染めて蚤や虱から守るのに使っている」とあり、また貝原益軒は「糊に当薬の煮汁を入れて、屏風を貼れば虫はわかな」と記していますが、薬効には触れていません。現在のように腹痛、胃痛の苦味健胃薬として認められたのは、江戸末期、飯沼慾齋が『草黄図説』で「採りて腹痛を治し、又よく虫を殺す」のべていますので、当時は殺虫が主で本草学者もセンブリにはあまり関心がなかったようです。明治25年改正の『第2版日本薬局方』は、「竜胆(リンドウの根)の代替品として当薬をあげています。大正9年の『第4版日本薬局方』は正式に収録され、今日まで続いています。
センブリを熱湯に浸して、千回ふって苦味成分を出しても、まだ苦味は残ることが名の由来です。
近縁種にイヌセンブリS. diluta var. tosaensisがありますが、苦味が少ないので薬用とはされていません。
学   名 Swertia japonica 
科   名 リンドウ科
生 薬 名 当薬(トウヤク)
利 用 部 位 全草⇒秋に採取し日干しします。自生地のセンブリを採取するときは根ごと採ると種の絶滅になりかねません。効果には差はないので、結実が終わった頃採るようにすれば絶えることはありません。
利 用 法 食欲のない時に⇒粉末を1回量0.003g〜0.005gを食前30分に、オブラートに包まないでそのまま服用します。
胃腸の痛みに⇒粉末を1回量0.003g〜0.005gを食前30分に、オブラートに包まないでそのまま服用。煎じるときは1日量0.3g〜1.5gを500mlの水に30分ほど浸してから、弱火で半量〜3分の1量になるまで煎じ、漉して薄めて服用します。
円形脱毛症に⇒粉末か当薬15gを、ホワイトリカー200ccに浸け、密栓して冷暗所で1〜3ヶ月保存し、1日1回掌ではげたところにすり込むようにマッサージします。一度に多量は使わないよう注意してください。
効   能 胃液分泌促進作用、唾液分泌促進作用、血糖下降作用があり、民間薬として苦味健胃薬、整腸薬に用いられています。
育毛剤に配合されることもあります。
成   分 苦味配糖体:スウェルチアマリン


センブリ 生薬・当薬

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東邦大学薬学部付属薬用植物園