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2014年 見所一覧

掲載日 植物名  
2014年
2014/10/27 クルミ


クルミを拾った・・・という話を聞いて、未だ残っているかと思って守衛室裏の駐輪場を、地面に目を凝らしながら歩いてみました。目が慣れてくると、敷き詰められた砂利の中に点在しているクルミが見つかり、拾ってきました。その数25個。ここのはカシグルミです。菓子作りに利用されることからの命名です。別名はテウチグルミといい、漢字では手打ち胡桃と書きます。名前どうり手でも割ることができるといいますが、たいていは槌やくるみ割りの道具を使わなくては割れません。割って中身を取り出したそのままでも美味しく食べられますが、炒ってから割るという方法もあります。探せば、傍の生け垣の下や並んでいる自転車の間にも、まだまだありそうです。見つけたら是非試してみてください。生のクルミを食べる機会は、滅多にありませんよ。余談ですが、生協前にはオニグルミがありましたが、2013年9月の台風で倒れてしまい、現在はカシグルミが、ハ-ブ園に1本と守衛裏2本だけになりました。
2014/06/30 バナナの花


温室のバナナが3本とも花をつけています。4月から咲いていたバナナは先が地に着くまで伸びて、重そうに果実を下げています。花弁の下には小さな果実が並んでいてバナナの顔を並べています。バナナは果実を付けるとその草(木状)は枯れてしまいます。では種のないバナナはどうやって増やすのでしょう。よく見ると花が咲いているバナナナの近くには新しい芽が出ています。他の植物では脇芽といわれますが、バナナに限ってはそれを「吸い芽」と呼ばれています。この「吸い芽」にも“剣吸い芽”と“水吸い芽”とあり、それぞれの役割分担があるそうです。どうやら“水吸い芽”の方が次世代として育ってゆくようです。
2014/04/23 トビカズラ

トビカズラが、今年はたくさん花をつけ始めました。関東では滅多に目にすることはないトビカズラです。日本での自生は、熊本県に樹齢1000年といわれる1本のみとされていましたが、その後長崎県の無人島でも発見された稀少な植物、国の天然記念物に指定されています。
園で植栽しているトビカズラは、職員が30年ほど前に、中国からのお土産として貰い受け、自宅で栽培していたものです。大変稀少種なので、広く見ていただこうと見本園の棚に植栽しています。生長は旺盛なので、日覆いにもなっています。花色は暗赤紫色で蝶型の花を房状にたくさん下げますが、なかなか結実はしないそうです。
この機会に是非ご覧ください。
2014/03/25 ナニワズとオニシバリ

写真はナニワズです。ジンチョウゲ科の植物ですから、姿はジンチョウゲと大変よく似ていますが、花色が黄色のをナニワズといい、花色が緑色がかるのをオニシバリと言います。しかしナニワズも咲き進むと色が緑色がかってくるので、見分けるのは難しいです。また長野県ではオニシバリのことをナニワズと呼ぶと聞きますから、なおさら面倒なことになりがちです。ナニワズは福井県・福島県以北の本州、北海道、南千島・樺太に生育する落葉小低木です。オニシバリは福島県以西、四国、九州に生え、夏にはすっかり落葉するのでナツボウズとも呼ばれる珍しい小低木です。ナニワズはハーブ園に鉢植えにしてあります。オニシバリは野草群にあります。
2014/02/27 オウレン


先月の大雪に気を取られているうちに、気がつけばセリバオウレンが咲いていました。早くから咲いていたのには、すでに袋果ができはじめています。
オウレンは生薬の中でも、もっともなじみ深く、よく知られています。生薬の黄連からは想像できないような可愛い花です。
全部同じ花のように見えますが、よく見ると雌花と雄花の違いが分かります。
温室の北側通路のムクノキの下で見ることが出来ます。お近くを通られる折、足下を気をつけてみてください。また見本園1ブロックでも開花中ですので、こちらも是非ご覧ください。
2014/02/19  雪害 ヒマラヤスギ


近年にない大雪だったため、二週間経過した本日でも、見本園はまだ斑雪です。
この度の大雪で、ハーブ園のヒマラヤスギの枝が、雪の重みで折れて落下、下の管理棟屋根を直撃し、雨漏り状態となりました。
キャンパスには、正門前に2本、ハーブ園に4本のヒマラヤスギがあります。キャンパスは旧陸軍騎兵13連隊跡地にありますから、樹齢はおそらく100年を超えているのではないかと思われます。
雪の被害は真に残念ですが、今までよく観察することもなかったヒマラヤスギの葉、木肌を思いがけず観察することが出来ました。
折れたのをただ捨てるのは勿体なくて、アーユルベーダでは薬効があるとされているので、試しに水蒸気蒸留で精油を採っています。
名前にスギとはついていますが、マツ科ですから、香りはマツに似ています。ハーブウォーターはたくさん採れますが、エッセンシャルオイルは木材部分が少ないためほとんど採れません。
2014/01/31 フクジュソウ開花

見本園、1ブロックで、フクジュソウが咲き始めました。まだほんの少しですが黄色い花弁を日差しに向け精一杯開いています。まだ全部が顔を出していませんので、しばらく楽しめそうです。
フクジュソウは、旧暦の元日の頃地上に姿を現すことから、元日草(がんじつそう)、朔日草(ついたちそう)とも呼ばれます。正月飾りとしておめでたい“福寿”にあやかってつけられたようです。
旧暦1月1日は、1月22日ごろから2月19日ごろまでを毎年移動し、旧暦で平年だった年は翌年の旧正月は約11日後退し、閏月があれば約18日進むのだそうで、何ともややこしいですが、今年は1月31日の今日が、旧暦元旦に当たります。
見本園のフクジュソウは、暦に合わせたかのようですが、残念ながら薬木園のフクジュソウは、日陰のためまだ顔も出していません。こちらは2月下旬頃になりそうです。
2014/01/16 シモバシラの霜柱・・・2014 掲載

今年に入ってシモバシラが3回ほどでましたが、まだ寒さが足りないせいか立派な華にはなっていません。
シモバシラが出来る為には、条件が揃わなくては芸術品のようには成りません。
地表温度が、-3℃くらいが一番きれいにでるようです。
気温が-1℃の時、地表温度が-3℃くらいに下がっていますので、目安としてください。さらにいえば雨や雪が降っていないということも条件に入るでしょう。
9時頃になると陽が当たり溶け始めます。「見に行ったけれど、見つからなかった」と言われることがありますが、よほど立派なシモバシラでなくては、お昼頃迄は保ちません。
同じように氷の氷柱が出来るものにセージ類、ミント類等のシソ科の植物があります。もう枯れたから・・・と抜き捨てずにいると、ひょっとしたらシモバシラと同じ現象をを見ることが出来るかもしれません。園ではチェリーセージにでたことがあります。
シモバシラは、ハーブ園の築山に植栽してありますので、寒い日の朝、足を運んでくださると自然の芸術品を見られるかもしれません
2014/01/13 イチゴノキを掲載

日本ではまだ馴染みはありませんが、最近では園芸店にも並ぶようになったツツジ科の常緑低木です。
流通名は、学名そのままに「アルブツス・ウネド」、又は英名の「ストロベリーツリー」です。
花の少なくなる晩秋から、ドウダンツツジに似た釣り鐘型の白く可愛い花を、房状につけます。果実が色づくのは翌年ですが、赤く色づくとジャムや果実酒に利用されますが、格別美味しいというほどではありません。
古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスが著した「博物誌」によると、学名のArbutusunedoは、属名がラテン語の“arbutum”は「イチゴ」を意味し、種小名の“unumedo”は「一回食べる」の意味であるとしています。
その名前の通り果実は“一度食べれば、もういいかな”と感じる味気ないものです。
ハーブ園の掲示板の横にありますので、ご覧ください。
2014/01/06 ダイダイを掲載

新年おめでとうございます。
今年も園内の植物の折り折りを、このページで紹介してまいりますので、ご覧いただければ幸甚に存じます。

年の初めは、ダイダイです。見本園1ブロックに今年もたくさんの実がついています。お気づきになりましたか。
ダイダイは果実の色を黄金に、また前年の実がその年の実と一緒に付いていることから、代を譲るという意味で縁起の良い果実とされています。他の柑橘類はこれほど長い期間実が付いているものはあまりありません。(レモン類もダイダイと同様翌年まで実をつけます)
関東では、お正月のお飾りとして用いられていますが、関西では、ダイダイの絞り汁をダイダイ酢として用いられています。お酢のようにツンとくる匂いはなく、柑橘系の香りで味もまろやかな酸味が味わえます。おなますにはもってこいの食材となります。
一般には“ポン酢”と呼ばれます。ポン酢のポンとは、オランダ語で柑橘類の果汁を意味するponsから、又はポルトガル語で柑橘類の果汁を指すpomが由来とも言われています。
ダイダイ、まずはお試しいただきたい柑橘です。

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