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イチョウ 中国原産で、中国、朝鮮半島、日本で栽培されています。お寺に植えられることが多く、仏教伝来と共に渡来したと思われます。雌雄異株で、通常樹高は10m〜20mですが、40mにもなる樹齢1,000年の巨木が青森県の北金ケ沢にはあります。寺社や公園、街路樹などによく植栽されいますが、果実の匂いが嫌われるのと、落ち葉が油分を含んでいるためスリップ事故に繋がりやすいため、近年では他の樹木に変えられている場合が多いです。街路樹には雄木を主に植えられています。長く伸びた枝から短い枝を出し、長い枝では葉を螺旋形につけ、短い枝では束生します。花期は4〜5月、淡黄色の雄花と緑色の雌花をつけ、雌木にだけなる果実は秋に成熟し食用とします。葉は扇形ですが、二股に分かれたのもあり、俗に雌株はスカート、雄木はズボンに見立てられたり、また種子の形で雌雄を見分けられるという俗説があります。しかし植物学的には根拠はなく、雌雄の半別は生殖器官の観察しかないそうです。種子植物のイチョウにも精子があることを1896年に東京大学、植物学教室に画工として勤務していた平瀬作五郎氏の発見がありましたが、発見の元となった株は現在も小石川植物園にはあります。名前の由来は、葉の形がガチョウの足に似ていることから、中国では鴨脚(ヤテャオ)樹と呼ばれるのが訛ってイチョウとなり、銀杏は中国北部の発音ギンアンに依ると言われています。
近年イチョウ葉の有効性が研究され、糖尿病、認知症等に良いとされており、ドイツやフランスでは医療品として認められています。安全性については国立健康・栄養研究所の「健康食品」の素材情報データベースをご覧ください。
学 名 Ginkgo biloba
科 名 イチョウ科
生 薬 名 種子⇒銀杏(ギンキョウ)、白果(ハクカ)
利 用 部 位 葉、種子、材
利 用 法 葉⇒鎮咳、去痰薬に抽出液で。生薬を5〜10gを煮て汁ごと食べるか、焼いてたべます。
種子⇒秋〜初冬に採り、土中に埋め水に浸けるかして、果肉を腐らせてとり除き、よく水洗いして内種皮に包まれた種子を日干しします。使用時に、内種皮を破って中の種仁を用います。多食したり、生食すると中毒になることがあるので、注意してください。
材⇒碁盤や将棋盤に。
効 能 糖尿病由来の網膜症、心血管疾患、認知症の改善に。
成 分 デンプン、タンパク質、脂肪、微量の青酸配糖体。
葉⇒フラボノイドのイソラムネチン、ギンゲチン。



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東邦大学薬学部付属薬用植物園