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東邦大学薬学部見本園

カノコソウ
朝鮮半島から台湾に分布し、日本全土の山野の湿った場所に稀に生える多年草です。草丈は40〜80cm、茎は直立し、葉は対生。花期は5〜7月でその頃には根生葉は無くなり、地下茎の蔓が伸びて繁殖します。白色の小さな花を茎の頂に散房花序に密生します。その様が鹿の子絞りに似ているのが名前の由来です。別名をハルオミナエシといいます。
根に精油を多く含んでおり、その香りはインド産の香料の甘松香(カンショウコウ)に似ているので和の甘松香ともいわれます。この草が薬草になることを教えたのは長崎出島に来ていたオランダ商館の医師たちでした。ヨーロッパではよく似たセイヨウカノコソウを薬草にしていましたが、日本産の方が精油分を多く含み、品質がよいとされ、戦前はイギリスやドイツへ輸出していました。
近縁種に、山野で普通にみられるツルカノコソウがありますが、これは薬用にはなりません。
学   名 Valeriana fauriei 
科   名 スイカズラ科
生 薬 名 吉草根、カノコソウ
利 用 部 位 根と根茎=吉草根
利 用 法 根と根茎を夏に堀りあげて、水洗い後日干しします。
細かく刻んだものを1回量5gに熱湯を注ぎ5分ほどおいて服用、1日3回。
効   能 浸剤もしくはチンキ剤にしてヒステリー、神経過敏症、心悸亢進に用います。
精油の臭気(足の裏のにおいといわれます)に鎮静効果があります。
成   分 根に精油⇒ボルニルイソバレート、ボルニアセテート、βーピネン、カノコノール、リモネンなど。
イリドイド配糖体⇒カノコンドA,B,C,Dなど


カノコソウ セイヨウカノコソウ ツルカノコソウ

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