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東邦大学薬学部見本園

オリーブ 原産地は地中海地方で、常緑高木です。樹高は7mにもなり、樹皮は灰緑色、よく枝分かれます。葉は堅く、披針形で表面は深緑色、裏面は銀色がかった灰緑色で皮質です。葉の多くは対生ですが、時に互生します。花期は5〜7月、葉腋から2〜3に分枝した花茎を伸ばして、黄白色の小花を多数、総状花序につけます。花冠は4裂し、芳香があります。果実は楕円形で中に1個の種子。初めは緑色で次第に赤く色づき、秋には黒藍色になります。果実収穫の時期は用途によっても異なりますが、9月末〜10月末です。果実からオリーブオイルや、ピクルスを作ります。
オリーブには野生種と栽培種があり、野生種は有史以前からアフリカ北部沿岸から地中海沿岸一帯に自生していたのを、5,000年ほど前から栽培するようになり、それが現在の栽培種の起源となっています。やがてローマ時代に入るとベルベル人が接ぎ木方法を知っていたこともあって、ローマの支配地域での栽培が発展し、地中海沿岸の国々に広がったようです。コロンブスのアメリカ大陸発見と共に南米にまで広がり、各地で栽培され始めました。
日本では、明治になってアメリカから苗を輸入し、三重、香川、鹿児島の三県で栽培しましたが、小豆島だけが好成績でした。開花期に梅雨期に入り、受粉期に重なり受粉の率がよくなかったと結論され、明治41年に農商務省は、小豆島に試験園を設け栽培に力を入れることになりました。しかし外国産の安価な品が大量に輸入されるようになると、栽培は急速に減少しましたが、平成になり健康ブーム到来で再び注目されています。 
聖書の「ノアの方舟」には、ノアが外部の様子を知るために鳩を放ちますが、戻ってきた鳩が、オリーブの小枝をくわえているのをみて、ノアは地上に平和が戻ったことを知ったという件があります。このことからオリーブは鳩と共に平和の象徴とされたのです。
学   名 Olea europaea 
科   名 モクセイ科
生 薬 名 オリーブ油
利 用 部 位 果実、葉、材
利 用 法 果実⇒薬用に(注射薬溶剤、軟膏基剤、皮膚塗布用、浣腸用等)、化粧用(香油、頭髪油、石鹸原料に)、食用油。
葉⇒薬用に。
材⇒木部の樹脂は気管支炎の吸入薬、香水に加えられる。
効   能 葉⇒内服では、血圧や血糖値の降下に。自然の抗生物質」としてインフルエンザやヘルペスの治療に(葉には3%程度含まれる苦味成分のオレユーロベンに強力な抗菌、殺菌作用)。
成   分 オリーブオイルの成分のほとんどはオレイン酸のグリセリド。



オリーブ 果実 木肌

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