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東邦大学薬学部見本園

チョウジノキ
香辛料としてよく使われているので、クローブと呼ぶ方が馴染みがあるでしょう。原産地はインドネシアのモルッカ諸島で、ジャワ、スマトラ等の熱帯各地で栽培される常緑小低木です。樹高は5〜10m、樹皮は灰色で滑らかです。長卵形で皮質の葉は対生し有柄です。葉には多数の油点があります。若葉は淡い緑色をしていますが、生長すると表面は深緑色、裏面は灰色となります。花は集散花序を頂生し、白色の筒状の花をつけます。
丁字は正倉院御物の中に現存していますから、仏教伝来と同時に日本にもたらされたといわれます。また「源氏物語」や」「枕草子」の文学作品に、衣類を丁字で染めたり、貴族たちが家伝の秘法で練香を作り、これを披露し合う「薫物(たきもの)合わせ」で香りを楽しんでいる様子が載っていますので、丁字は古くから薬用や香染、防虫効果で用いられていたようです。このように丁字は高貴薬、香料として貴重に扱われていたため、紋章として使われ、多くのデザインがあります。名の由来は蕾の形から釘のことを釘子(ていんつ)といわれていたことから、蕾を丁字というようになったそうです。また英語のCloveが、フランス語で釘を表すclouに由来するそうですから、洋の東西で同じように感じたのでしょう。
学   名 Syzygium aromaticum 
科   名 フトモモ科
生 薬 名 蕾⇒丁字(チョウジ)、丁香(チョウコウ)、Clove
精油⇒丁字油
漢   方 柿蔕湯(していとう)⇒しゃっくり止め
利 用 部 位 蕾⇒開花直前の蕾を採り、花柄を取り除いて日干しします。
枝・葉⇒水蒸気蒸留してクローブリーフオイルを採ります。
利 用 法 浸剤・チンキ⇒内服用(ティー、胃腸薬)、うがい薬
精油⇒香りを嗅ぐと吐き気を抑制、化粧品、香水、防虫香、歯科用薬、さび止め
効   能 丁字⇒胃腸運動機能促進作用、局所麻酔、鎮静、鎮痛、殺菌、抗ウイルス、子宮収縮
丁字油⇒強力な防腐作用、抗菌作用
成   分 オイゲニイン、オイゲノール、フラボノイド類


チョウジノキ
若葉
丁字

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