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 私の研究テーマは、細胞性粘菌の遺伝子の転写を調節するタンパク質であるSTATaが、どのような遺伝子によって制御され、またどのような遺伝子の転写制御を行っているかを明らかにするというものでした。約12000個 あるとされる細胞性粘菌の遺伝子から目的とする遺伝子を探しあてることは大変なことですが、小さな細胞の中で起こっている一つの現象を、いろいろな側面か ら実験を行なうことで明らかにしていくという過程がおもしろかったです。また、粘菌という扱いやすく見た目も可愛い生物相手ですのでとても楽しく実験を行 うことができました。

 2007年度大学院博士後期課程修了: N.S.

 

■学生の声

卒業生


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現在のメンバー


川田 健文(教授)


M2 鈴木 麻友子


4年生5名




 

ラボの出来事、ニュース


2004年10月 1期生の島田さんが学術振興会特別研究員DC1に採用が内定しました。

2005年12月 3期生の門奈さんのインタビュー記事が鶴風会報に載りました。記事はこちら

2006年2月 3期生の青島君、平岡さん及び大学院生の島田さんの合作論文がようやく受理されました。随分と難産でした。

2007年2月 島田さんの研究発表が第9回細胞性粘菌研究会においてシルバーポスター賞を受賞しました。

2007年4月 上記の仕事がEukaryotic Cell誌にacceptされました。

2007年9月 砂永君、門奈さんが中心となってやってくれた仕事が論文になりました。

2008年1月 島田さん、菅野さんが中心となってやってくれた仕事が論文として受理されました。

2008年3月 1期生の島田さんが博士(理学)の学位を取得しました。

2008年12月 小笠原君の修士論文の一部が論文として受理されました。

2010年2月 1期生の南澤君が共同研究の一部としてやってくれた仕事がようやく論文として受理されました。

2010年4月 1期生の島田さんの博士論文の一部(最後の章)が論文として受理されました。

2010年9月 国際学会の見聞録をアップしました。

2010年9月 1期生の島田さんが東京大学の助教に就任致しました。

2011年5月 今年も恒例となったOB&OG会が開かれました。当日の様子はこちら

2011年9月 青島君、小笠原君、谷内さん、平野君が手伝ってくれたPIASの仕事が論文として公表されました。

2012年5月 今年のOB&OG会の様子をアップしました。こちら

2012年5月 University of Dundee, UKとの共同研究(今回は向こうがメインです)の最初の論文がPNAS誌(米国科学アカデミー紀要)にacceptされました。こちら

2013年10月 最初のセルラーゼの論文がacceptされました。安野さんが始めて、新藤君、國井さんと受け継がれたものです。

2015年4月 中村さんがメインに手伝ってくれたexpL3の仕事が論文になりました。

2016年3月 嵯峨さんのecmFの仕事が初の筆頭著者として論文にacceptされました。

2017年5月 嵯峨さんの上記の論文がDGD奨励賞を受賞し、発生生物学会で表彰されました。受賞理由は下記にあります。

2017年10月 12期生の嵯峨さんが学術振興会特別研究員DC2に採用が内定しました。

2019年4月 10期生の岩出さんと12期生の嵯峨さんが中心となってやってくれたSTATaキナーゼの論文がようやくacceptされました。

2019年6月 山田葉子さんが博士研究員として着任しました。

2019年10月 10期生の岩出さんがやってくれたデータの載ったスイスのグループとの共同研究の論文がacceptされました。

2020年3月 12期生の嵯峨さんが博士(理学)の学位を取得しました。

2020年9月 博士研究員の山田さんが上智大学理工学部の特任准教授として転出されました。

2023年2月 嵯峨さんが中心となってやってくれた仕事がようやく論文としてまとまりました。18期生の下山君と11期生の森川君のデータも入っています。

2023年4月 12期生の嵯峨さんが札幌医科大学医学部の助教に就任いたしました。

2023年4月 本研究室で博士研究員をしていた山田葉子さんが本学科に教授として戻ってきました。細胞生物学研究室を主宰しています。


Young Investigator Paper Award 2017

Regulation of ecmF gene expression and genetic hierarchy among STATa, CudA, and MybC on several prestalk A-specific gene expressions in Dictyostelium


Yukika Saga, Tomoka Inamura, Nao Shimada, Takefumi Kawata

Volume 58, Issue 4, pp 383-399


Cellular slime molds have served as attractive model organisms in developmental studies owing to their exhibiting clearly distinct cell changes in temporal order, starting from amoeboid cells ending in mature fruiting bodies. This study focused on the stage when slugs develop into the fruiting body and identified STATa, a STAT family transcription factor (TF), as a key player in the regulation of prestalk A cells. Utilizing various TF mutants and reporter genes, the authors show that the gene regulatory network associated with STATa is not a linear cascade form but involves parallel interacting pathways. This study took advantage of the unique feature of the cellular slime molds, and was very carefully performed.



細胞性粘菌はアメーバ状態から子実体に至るまでの、細胞状態の経時的な変化が明快であり、そのことによって発生研究の魅力的なモデル生物となっている。著者たちは、細胞性粘菌がslug状態から立ち上がって子実体の形成に向かう発生段階に焦点を当てて研究し、 STAT属の転写因子STATaがその発生段階のprestalk A細胞群の制御の鍵を握ることを示した。そして、遺伝子制御の観点からSTATaと関連した転写因子の変異体における遺伝子発現や、レポーター遺伝子の発現の解析を行った。その結果、STATaが関与する遺伝子制御カスケードは単純な上下関係による線形的なものではなく、相互作用を含んだ並列制御によるものであることを示した。本研究は、細胞性粘菌の特徴を生かした、そして洗練されたレベルの高い研究である。










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