「神経系−1:末梢神経系・自律神経系」ユニット

講義録12

月日(曜日) 時限 担 当 講義内容 SBOs番号
6月21日(金)
3
戸田(変更)
脊髄反射1 22,23

SBOs
22)脊髄の基本的なニューロン結合様式と伝導路を図示できる。
23)脊髄反射(伸張反射、屈曲反射)を説明できる。

Key word

屈曲反射、防御反射、多シナプス性反射

22)脊髄の基本的なニューロン結合様式と伝導路を図示できる。
23)脊髄反射(伸張反射、屈曲反射)を説明できる。

伸張反射
脊髄反射の最も基本的な神経回路は、Ia線維とα運動ニューロンからなる伸張反射弓である。図1には大腿部の伸筋における反射弓を示す。脊髄後根から入ったIa線維は、脊髄前角のα運動ニューロンに興奮性のシナプス結合をする。図中矢印は、インパルスの伝導方向を示す。Ia抑制ニューロンとレンショー細胞はともに抑制性ニューロンであり、伸張反射を修飾する働きをもつ。
Key Words: Ia線維、α運動ニューロン、Ia抑制ニューロン、Renshaw 細胞、単シナプス反射

誘発筋電図
伸張反射を利用した神経機能診断の一つ。通常、脛骨神経を電気刺激し、下腿後側の筋(腓腹筋・ヒラメ筋)に誘発される筋電波形を観察する。短潜時のM波と長潜時のH波があり、刺激強度を上げるにつれてH波がまず出現し、さらに強度を上げていくと振幅は漸減しついには消失する。これに呼応するかのように、M波が出現し強度を上げるにつれて振幅は漸増する。

屈曲反射
侵害刺激が四肢に加えられると、その肢が屈曲する。屈筋が収縮すると同時に、伸筋が弛緩するためである。この反射は傷害から肢をまもろうとする防御反射である。屈曲反射は前述の伸張反射とは異なり、その反射回路に介在ニューロンが組み込まれた多シナプス性反射である(図2)。皮膚の侵害受容器からの情報は脊髄内の介在ニューロンに伝えられ、最終的に、伸筋の運動ニューロンには抑制を、屈筋の運動ニューロンには興奮をもたらす(図中黒矢印)。

図1

図2