びまん性肝疾患に対するXenon Dynamic CT 東邦大学医学部附属大森病院 中央放射線部 ○秋山 浩二 戸澤 光行 井上 能成 三浦 康知 |
【目的】 肝臓は肝動脈と門脈の双方から血液の供給を受けている。我々はびまん性肝疾患である肝炎と肝硬変症例に対して非放射性キセノン吸入法によるDynamic CTを行い動脈、門脈の血液状態がどのように変化しているかを検討した。 |
【方法】 当院で行っているXe吸入法による脳循環血流量計測法に準じて Dynamic CTを 行った。30%非放射性キセノンを4分吸入5分洗い出し、計9分間でデータ収集した。 こうして得られたデータを安西メディカル社製肝血流解析ソフトに転送し、 肝血流量の絶対値を算出するとともにFunctional Mapを作成した。 |
【使用機器】 X線CT装置 Toshiba Xvigor Xe吸入装置 安西メディカルXETRON−V AZ−725 解析装置 安西メディカルAZ−7000W
|
正常ボランティア例
|
肝炎例
|
肝硬変例
|
肝炎例
|
肝硬変例
|
【考察及び結語】 本法は非侵襲的で簡便に行うことができるが、キセノンガスの麻酔作用による吸入時の呼吸抑制が問題点としてあげられる。これには検査に対する詳細な説明が不可欠であり、可能であれば予めキセノンガスを短時間、試験的に吸入してもらうことも有効だと思われる。また、濃度を25%にさげることも現在検討中である。今回の検討より、肝組織血流動態を肝動脈、門脈成分に分けて描出することができた。特に肝硬変においては右葉の萎縮、左葉の肥大と肝血流動態の変化に相関が示唆された。キセノン吸入法による肝血流測定法は、病期の進展に伴う血流の変化をとらえうる有効な方法であろうと思われた。 |
![]() |
![]() |