アンケート調査結果

「学校保健に関する困りごと調査(本調査)」結果(2022年11月7日改訂)

1.目的

このアンケート調査は,学校保健に関する困りごとについて学校教職員や学校薬剤師がどのような意見を持っているかを明らかにし,今後,学校薬剤師を教育するプログラム開発,ツール開発を行う際に参考にすることを目的としています.

2.調査期間

令和4年7月18日~8月31日

3.調査対象

船橋市立 小学校・中学校・特別支援学校・高等学校85校の,学校長・養護教諭(お二人いらっしゃる学校ではそれぞれ)・体育主任・保健主事・理科主任・栄養教諭(栄養士)の皆さま.同85校の学校薬剤師の皆さま.

4.調査方法

質問票をメール便にて配布.Googleフォーム回収または質問票に記入いただいたものを郵送回収.

5.回収状況

回収数:265票(内 白票:4票、重複:5票)
有効票数:256票 有効回収率:43%

6.アンケート結果について(サマリー)

今回のアンケートでは,対象者611名に,「学校保健に関する困りごと調査(本調査)」として調査いたしました.なお,本調査に先立ち予備調査を,船橋市内抽出校10校の養護教諭13名を対象に6月27日~7月5日にかけて実施し,質問票を精査いたしました.
学校教職員の先生方にとっての困りごととして多かったのは,「スマートフォン依存・ゲーム依存・スマホ急性内斜視・SNSトラブルへの対応(60%)」「食物アレルギー・アナフィラキシー対応(含・エピペン)(54%)」「薬物乱用防止(危険ドラッグ,違法薬物)(54%)」が上位を占める結果となりました.
1位のスマートフォンについては,自由回答でも言及される票が多く(22票),問題の大きさと深刻度を反映しています.

一方,学校薬剤師が「参画したい内容」は,上位を「薬に関する教育」が占めました.


7.資料

論文発表前となりますため,概略のみのご報告にてご容赦いただきたく存じます.

a. 学校薬剤師に参画して欲しい,貴校でのお困りごとについて

お困りな5点(いくつでも)特に,お困りな5点(5点以内でも可)
1.スマートフォン依存・ゲーム依存・スマホ急性内斜視・SNSトラブルへの対応 1.スマートフォン依存・ゲーム依存・スマホ急性内斜視・SNSトラブルへの対応
2.食物アレルギー・アナフィラキシー対応(含・エピペン) 2.睡眠不足・健康的な生活習慣獲得の対策
3.薬物乱用防止(危険ドラッグ,違法薬物) 3.食べ残し・好き嫌い・食材の偏りの対策

b. 特に,お困りな点について,具体的にご記入ください.

学校教職員複数名の方から寄せられたコメントの一部を,文意が変わらないよう改編して掲載します.

  • スマートフォン依存.ゲーム依存.
  • 生活習慣が乱れている生徒が多いこと.
  • 頭痛を訴える子どもが増えている.
  • 生理痛,生理にまつわる心身の体調不良の対応.
  • 食物アレルギーを持つ子どもが多い.教職員に対する研修をして欲しい.
  • 朝ご飯を食べる習慣がない.偏食の子どもも多く,給食の残材が多い.
  • 子どもだけでなく職員の体調不良も多くなってきているため,専門知識のある方からの話が聞けた方が説得力があると思う.
  • 性同一性障害の子どもに対する対応,性教育.
  • エナジードリンク過剰摂取の対応.
  • 特別な支援が必要な子どもに対する服薬支援,性教育.

    c. 学校薬剤師として参画したい内容について

    いくつでも特に参画したい5点(5点以内でも可)
    1.くすりの正しい使い方(ドーピング,overdoseの対策) 1.くすりの正しい使い方(ドーピング,overdoseの対策)
    1.エナジードリンクの過剰摂取対策
    2.薬物乱用防止(危険ドラッグ,違法薬物)
    2.喫煙防止教育
    2.感染症対策
    2.食物アレルギー・アナフィラキシー対応(含・エピペン)
    3.薬物乱用防止(危険ドラッグ,違法薬物)

    d. 特に「学校薬剤師として参画したい」ことについて,具体的にご記入ください.

    学校薬剤師の方から寄せられたコメントの一部を,文意が変わらないよう改編して掲載します.

  • 現状参画できてないので,最低限これくらいはやりたいなというものを選択しました.
  • OTC医薬品の適性使用,使い過ぎ(依存,overdose)の問題.
  • スポーツと薬について.
  • 喫煙防止,禁煙対策.
  • 子どもからのSOSに適切に対応するための啓発を,大人に対して.
  • 生活改善.生活リズムの大切さを知ってもらうこと.
  • 今までの業務の見直しも必要ではないか.



    8.今後開発していく教材のテーマ

    アンケート結果を受けて,作成する教材のテーマを検討しました.

  • くすりの正しい使い方(ドーピング,overdoseの対策)
  • 月経(生理)・生理痛対応 - 女子用・男子用・男女用(小学校)、男女用(中学校)
  • 性同一性障害・LGBTQsの対策
  • 睡眠不足・健康的な生活習慣獲得の対策
  • スマートフォン依存・ゲーム依存・スマホ急性内斜視・SNSトラブルへの対応
  • 食物アレルギー・アナフィラキシー対応(含・エピペン) - 摂食障害、食材の偏り、朝ごはんがとれない、を含む

  • まずPowerPoint教材を作成し,その後,短編動画,リーフレットなどを作成する計画です.
    それぞれのモジュールを組み合わせて使っていただけるよう,簡潔な内容を目指していきます.





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    Komazaki, Ari