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東邦大学薬学部見本園

コリアンダー ヨーロッパ、地中海沿岸原産の一年草です。草丈は30~60cm、茎は直立しまばらに分枝し、葉は互生です。下部の葉は2回羽状複葉ですが、生長するにつれて上部の葉は細い3回羽状複葉となります。花期は6~8月、枝先に白から薄いピンク色の小さい花を、複数形花序に付けます。果実は球形で、未熟の果実と全草はカメムシに似た悪臭がすることから別名をカメムシソウといわれますが、成熟した果実はよい香りがします。カメムシのにおいがするので、嫌いという人が多いのですが、中国では香草シャンツアイと呼ばれスープ、麺類、粥に利用されていますし、タ イ料理ではパクチーと呼ばれて世界三大スープのトムヤムクンには欠かせない食材となって根も用いられています。あの臭気を嫌いと感じるのは日本人だけなのでしょうか。しかし近年ではエスニック料理の人気で需要は拡がって入手しやすくなっています(市販のは、あまり香りがしませんが)。近縁種には、東南アジアや中南米でコリアンダーと同様に香味野菜として使われている熱帯アメリカ原産のオオバコエンドロCoriandrum sativumがあります。
平安時代中期に編纂された、律令の施行規則を著した「延喜式」や百科事典でもある「和名類聚抄」などには、朝廷料理では胡荽(コスイ)が生魚の薬味として用いるという記載があるそうですから、当時すでに用いられていたと思われます。和名はコエンドロで、これはポルトガル語のcoentroからの転化だと貝原益軒は「大和本草」で説いています。
学   名 Coriandrum sativum 
科   名 セリ科
生 薬 名 胡荽子(コズイシ)
利 用 部 位 全草
果実(胡荽子)⇒8~9月に果実を採り、日干しします。乾燥させると臭いはなくなります。また水蒸気蒸留で精油を採ります。
利 用 法 生葉⇒30cmくらいまでの葉を使います。
果実⇒粒のままか粉末にして、ピクルス、シチュー、マリネなどの香辛料として用います。
効   能 胃液分泌作用、胆汁促進作用があり、健胃、駆風、去痰薬に。
果実の精油⇒香水、薬品、顔面神経痛や痙攣のマッサージオイルに。
成   分 リナロ-ル、デシルアルデヒド、ゲラニオ-ル、ピネン等
芳香成分にカプリアルデヒド、コリアンドロ-ル




 
コリアンダ- 果実

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