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東邦大学薬学部見本園

ローズ
マリー
原産地は地中海地方沿岸。高さ40〜200cmの常緑低木です。線形の葉は対生で多数つき、花期は長く早春から秋まで茎上部の葉腋に、短い総状花序をつけます。現在では、薬用、香味料、鑑賞用として広く栽培されています。古くから宗教儀式、祭典に「魔除けの植物」、「聖なる植物」として用いられて、古代エジプトのファラオの墳墓にも入れられていました。また17世紀に南フランスでペストが流行した時、死者の品々を盗んだ泥棒が捕らえられ、何故感染しなかったか不思議と思った役人に、「秘密の薬」を使っていたと言ったそうです。その「秘密の薬」とは、ローズマリー、タイム、セージ、ラベンダーをお酢にビネガーのことです。以後このお酢を「4人の泥棒の酢」と呼ぶそうです。現在でもハーブビネガーは、調味料、リンスや飲料に入れたり、入浴剤などに利用されています。
若返りのハーブとも言われ、有名な話には「ハンガリアンウォーター」があります。70歳を過ぎて身体の痛みに苦しんでいたハンガリーの女王エリザベートは、尼僧から贈られた水を飲用したら、健康を取り戻したうえ、隣国ポーランドの若い王子から求愛されたそうです(この話は誰かの創作のようですが…)。以来、「若返りの水」とも呼ばれ、当時からローズマリーの有効性が周知されていたものと思われます。
近年、認知症予防によいハーブとして、コモンセージ、レモングラスやペパーミントなどと共に注目されています。しかしよいからといって、そればかりを摂るのは逆効果になりかねません。栄養バランスを考えて利用してください。
属名のRosmarinusはラテン語の「ros=露」と、「marinus=海」の合成語で、「海のしずく」とも称されています。自生地の霧と潮風に晒されながらも、青々としてよく育つものという意味で「海のしずく」とも称されています。
日本には文政年間(1818〜1829年)に中国を経て渡来し、和名をマンネンロウといいます。マンネンロウは、「万年蝋」または「万年朗」と書かれますが、「万年蝋」の蝋とは、べとべとする蝕感が、蝋のようだということなのでしょう。また香りが強いことや、常緑であることなどから“永遠の青年”になぞらえて「万年朗(マンネンロウ」)と表されたと思われます。
学   名 Rosmarinus officinalis 
科   名 シソ科
生 薬 名 迷迭香(メイテツコウ)
利 用 部 位 枝、葉
利 用 法 枝・葉⇒5〜6月、全草を採り、水洗いして日干しします。
浸出液⇒お茶をいれるのと同じ要領で入れます。
料理に⇒肉や魚料理の匂い消しに。ブーケガルニに。食品の保存を助けます。
効   能 精油⇒神経系の回復促進。
迷迭香製剤は婦人病の要薬で、更年期障害による月経過少や停経に対して有効です。
健胃、駆風、鎮痛、鎮痙薬に。
胃痙攣、閉経、頭痛などに⇒迷迭香、1日量5〜10gを煎じて服用します。
成   分 全草にロスマリシン、カルノソール。
葉の精油にピネン、カンフェン、シネオール、カンフォール、ボルネオール。


 立性 這性 

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