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ヤドリギ | 地のエノキ、ブナ、ミズナラ、クリ、サクラ等の樹上に半寄生(葉は栄養分を多少は光合成します)する小常緑低木です。大木の落葉樹に寄生し宿主の幹に爪を立てるように食い込んだ寄生根で、養分や水分を吸い取って生長します。緑色で、円柱状の茎は、2〜3叉状に分枝し広がり、こんもりと丸くなり、40〜60cmの大きさまでになります。花期は2〜3月、黄緑色の鐘状の小さな花をつけますが、雌雄異株で、冬に淡黄色の漿果がつきます。繁殖は秋に日本に渡ってくる「キレンジャク」がこの漿果の粘液を消化し種子を排泄するとき、粘液が糸を引いて近くの枝にくっつき、そこで発芽します。果実が橙黄色に熟す品種をアカミノヤドリギV.alubum var.rubro-aurantiacumといいます。日本には、同じヤドリギ科で属の異なるホザキヤドリギHyphear tanakaeやヒノキバヤドリギKorthalsella japonica、マツグミTaxillus kaempferi などがあります。 分布はヨーロッパからアジア西北部で、ヨーロッパでは宿り木は縁起木とされ、母種のオウシュウヤドリギV.alubumを、クリスマスの飾りにしています。古代には多産の象徴だったことから、本種の下でキスをする習慣が生まれました。 6年前、お正月に活けてあったヤドリギの種子を貰って、ヤドリギが寄生すると言われる構内の樹木に、約1000粒の種子をこすりつけてみました。翌年たくさん発芽しましたが、水分不足の所為かほとんどが枯死しました。 現在は水道に最も近いカシワについた2本だけが残って生長しています。7年目の今春、初めて花がつき、その二本が雄木と雌木であったのは、幸運でした。成長の速度は遅く、一年に一節ずつ生長しています。 管理棟前のカシワの木、一番下枝で様子を見ることが出来ます。よく見る丸い姿になるには何年要するのでしょうか。 |
学 名 | Viscum album var.coloratum |
科 名 | ヤドリギ科 |
生 薬 名 | 茎葉⇒桑寄生(ソウキセイ) |
利 用 部 位 | 茎葉⇒必要に応じて採取し、細かく刻んで日干しします。 |
利 用 法 | 乾燥した茎葉を1日量5〜10gを水300ccで半量になるまで煎じ、3回に分けて服用します。 |
効 能 | 葉のエキス⇒中枢神経を麻痺させ、腸拡張させたり、血圧降下作用や鎮痛作用があり、腰痛、神経痛リウマチ、循環器・呼吸器系の疾患や腫瘍・悪性腫瘍の処置に利用。 葉のついた小枝⇒多量では有毒。 |
成 分 | 茎葉⇒クエルセチン、アビクラリン、メソイノシトール、毒性タンパクのビストキシン |
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ヤドリギ 左-筑波にて 右-奥穂高にて |
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構内のヤドリギ | 雄花 | 雌花 |
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東邦大学薬学部付属薬用植物園 |