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東邦大学薬学部見本園

ベラドンナ


有毒
ヨーロッパ、西アジア、ヒマラヤ山系に分布する多年草。ヨーロッパ各地、中国各地、日本では寒冷地で薬用として栽培される草丈1~1.5m程の多年草です。やや尖頭の卵形から楕円形の葉は皮質です。花期は6~9月、赤紫色の釣鐘花を単生し、球形の液果は、黒熟します。
名前の由来は、イタリア語で貴婦人を意味するbella donnaをそのまま読んでいます。
ルネッサンス期のベネティアの婦人たちが、この葉の汁を瞳を大きく見せるため点眼薬として使用したことに依ります。成分のアトロピンは、瞳孔を拡大する散瞳作用があり、その作用によって目を大きく見せたかったのかもしれません。いつの時代も女性は身体を張って美へ挑戦しているのでしょう。このアトロピンは、オウム真理教事件で、サリンの解毒薬として有名になりました。
属名のAtropaはギリシャ神話の三柱の運命の女神の一人で、死の瞬間に運命の糸を断ち切るアトロポスに因みます。別名で「悪魔の草」とも呼ばれているのはそういった意味もあるのでしょう。
学   名 Atropa belladonna 
科   名 ナス科
生 薬 名 葉⇒ベラドンナ葉、顚花テンカ
根⇒ベラドンナ根、ベラドンナエキス
利 用 部 位 葉、根
利 用 法 毒性が強いので、民間では禁忌
効   能 鎮痛、止汗、散瞳、眼圧亢進、神経痛、百日咳
成   分 葉と根にトロパンアルカロイド(ヒヨスチアミン、アトロピン、ベラドニン)、クマリン配糖体(スコポリン)など。


ベラドンナ        花         漿果

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