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東邦大学薬学部見本園

フジバカマ 関東以西、四国、九州の川岸の土手などのやや湿り気のある場所に生える多年草で、朝鮮、中国にも分布しています。円柱形の茎は直立し草丈は1〜1.5mで、下部は無毛です。艶のある堅めの葉は3深裂し、鋸歯があり、濃緑色です。下葉は小さく、花期の頃は枯れあがります。花期は8〜9月で、茎の先に淡紅色か白色の頭花を散房状に密生します。「日本書紀」に蘭の名前で載っていることや、山上憶良が万葉集巻8で秋の七草として二首詠んでいますので、古い時代に中国から渡来し奈良・平安の頃は雑草化していたと思われます。生では香りませんが、生乾きか乾燥したものは、桜餅の葉のような香りがします。これは、クマリン、クマリン酸、チモハイドキノンによるものです。平安時代には香草として利用し女性の洗髪料、煮た湯で沐浴していたそうで、邪気を払う意味があったのではないでしょうか。現在では開発や護岸工事などで生育に適した場所は減少し、今では環境省レッドデータリストでは準絶滅危惧U類(NT)となっています。近縁種にはヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリ、サワヒヨドリ等があり、よく似ているので、見分けるのは難しいです。園芸店で出回っているフジバカマは本種ではなく、同属異種か、近縁種との交配種です。
学   名 Eupatorium fortunei 
科   名 キク科
生 薬 名 蘭草(ランソウ)
利 用 部 位 全草⇒つぼみをつけたものを刈り取り、2,3日日干しして、香りが出たら風通しのよい場所で陰干しします。乾燥後は容器に密閉保存します。
利 用 法 糖尿病の予防と治療に⇒乾燥葉(蘭草)、連銭草(カキドウシ)、ビワ葉、タラノキ樹皮5gずつを一日量として水400ccで半量になるまで煎じ、一日3回に分けて服用します。
浮腫⇒乾燥葉一日量10gを水400ccで半量になるまで煎じ、一日3回に分けて服用します。
皮膚の痒みに⇒乾燥した全草300〜500gを、刻んで布袋に入れ浴湯料とします。その袋で痒い部分をこすると効果的です。
効   能 血糖降下作用、利尿作用があり、糖尿病、浮腫、月経不順、皮膚の痒みに。
成   分 オルトクマリン酸、クマリン配糖体、精油チモヒドロキノン、根にはオイバリン


フジバカマ

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