| TOP | 見本園 | ハーブ園 | 薬木園八千代薬草園中毒事例 | 用語解説 |
東邦大学薬学部見本園

イヌマキ 関東から沖縄にかけて、海岸に近い林内に生えている雌雄異株の常緑高木です。家屋の周りに防風林や生け垣に植えられたりしてきました。日本庭園には欠かせない樹種の一つとしてよく植栽されていました。樹高は野生では20mになるのもありますが、普通は2~5mほどです。幹は直立し、枝は拡がり老木になると下垂します。葉は互生、広線形もしくは被針形で長さは10~20cm、幅1cm程です。深緑色の革質の葉は枝先まで密についています。花期は4~5月、雄花は雄しべが集まって3cmほどの穂状につき、雌花は5mmの小花が集まり3cmほどの球状になります。花後10mmほどの果実となり前年枝の葉腋につきます。秋には赤く熟した果実は食べられます。種子は先端部の粉を吹いたような緑色の部分にあり、緑色の部分は有毒なので食べられません。名前の由来は、古い時代には杉をマキと呼んでいましたが、それより材が劣るので、役に立たないという意味のイヌマキと呼ばれるようになりました。しかし水に強いので、風呂桶に用いられたり、沖縄県では木造住宅の建材として用いられています。近縁種に葉の短いラカンマキがあります。
昭和41年9月29日、千葉県ではイヌマキの名称を単に「マキ」と改めて、県木と指定し、県内での各種行事では県木として植樹を推奨しています。
学   名 Podocarpus macrophyllus 
科   名 マキ科
生 薬 名 羅漢松実(ラカンショウジツ)
利 用 部 位 種子、花托
利 用 法 種子と花托⇒10月頃、種子と花托を一つずつ採り、洗って日干しします。
薬理作用と効果は不明ですが、民間的に用いられています。
イヌマキ酒⇒広口瓶、半分まで果実を入れ、25度のホワイトリカーを肩口までそそぎ、冷暗所で2ヶ月ほど置きます。
効   能 滞った血の流れを改善する駆瘀血作用があるので、瘀血が原因の全身のだるさ、頭痛、胃の辺りの重苦しさなどに。
成   分 種子にイヌマキラクトンA,B,C,E等
茎・葉には精油を含み、α-、β-ピネン、カンフェン等


イヌマキ 樹皮 果実

   戻る

 | TOP | 見本園 | ハーブ園 | 薬木園八千代薬草園 | 中毒事例 | 用語解説 |

東邦大学薬学部付属薬用植物園