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東邦大学薬学部見本園

キササゲ
中国の中部、南部の原産の落葉高木です。古い時代に中国から薬用として渡来し、日本各地で栽培されていましたが、今では山地や河岸の近くで野生化しています。樹高は6〜9mで、葉はキリの葉に似ており、掌状に浅裂した大きな葉が対生、稀に輪生しています。花期は6〜7月、枝先に淡黄色の暗い紫色の斑点のある花を多数円錐花序につけます。刮ハは長さが30cmにもなります。秋には葉をすっかり落としますが果実はいつまでも細長い刮ハをつけているので遠目にもすぐわかります。この木が高く伸びるので、キササゲの木を庭に植えると雷が落ちないという迷信があり、別名を雷の木といいます。
余談ですがキササゲは中国語では「梓樹」とかき、昔中国ではこの木を叛木に用いたため本を出版することを「上梓」というようになりました。キササゲのことを梓ともいいますが、梓弓という言葉があるのですが弓にするには材質が硬くて適しません。現在では弓にする梓とはカバノキ科のミズメが有力視されています。
学   名 Catalpa ovata 
科   名 ノウゼンカズラ科
生 薬 名 キササゲ又は梓実(シジツ)
利 用 部 位 果実⇒よく熟すと莢は2片に裂けてしまうので、9月頃、熟す一歩手前で果実を採取し、日干しにします。
効   能 利尿作用があり、腎炎、ネフローゼ、脚気、低血圧症による浮腫に用いられています。
ただし大量使用すると、悪心、嘔吐、弱い間歇性除脈を起こすことがあるので専門家の指導の下で扱ってください。
成   分 果実にカタルポシド、カタルバラクトン、ρ-ヒドロキシン安息香酸、クエン酸、カリウム塩など。


キササゲ  果実

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