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東邦大学薬学部見本園

シャクヤク
中国東北部から朝鮮半島に自生する多年性草本で、日本にはボタンより先に渡来し、薬用、鑑賞用に栽培されてきました。草丈は50〜80cmで、茎は数本が直立します。葉は1〜2回3出羽状複葉です。花期は5月で、牡丹が終わる頃、茎の頂に大型で多重の花を1〜3個つけます。花色は紅色、薄紅色、白色など多数あり、花色から赤芍、白芍と呼び薬用とするには白芍がよいとされます。類似植物には、本州中部から九州に野生しているヤマシャクヤク、各地に野生するベニバナヤマシャクヤクがありますが、どちらも花はシャクヤクより小さなものです。古くは野生のヤマシャクヤクの根を宇陀芍薬、信濃芍薬と呼んで薬用に使用されたことはありますが、現在では野生種は薬用とはしません。
牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれています。開花はボタンが終わりかけた頃からです。
学   名 Paconia lactiflora 
科   名 ボタン科
生 薬 名 芍薬(シャクヤク)
漢   方 芍薬甘草湯、四物湯。
漢方では急に起きる筋肉の痙攣・硬直、腹痛、腹部膨満感、頭痛。血行を改善し婦人系の働きを調え、血の道症、生理不順・こしけ・生理痛・冷え性に処方されています。
利 用 部 位 根・作り方によって区別されています。
生干し(しょうぼし)芍薬⇒植え付けから5年目の秋に根を堀りあげ、10cmほどに切って、タンクに根と水、砂を加えてこれを撹拌し、外皮がとれたら、さらに水洗いをしてからむしろなどに広げて日干しします。
真芍(しんしゃく)⇒水洗いした根を熱湯に20分ほど浸すか、蒸したのち乾燥します。
効   能 鎮静、鎮痛、鎮咳、血圧降下作用。芍薬単味で用いるより、多くは処方に配剤されています。
成   分 モノテルペン配糖体のペオニフロリン、安息香酸、タンニン


シャクヤク 莢実
生薬・シャクヤク

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