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チョウセン ゴミシ 局 |
本州中部から北海道に生える落葉つる性低木です。葉は卵形で互生、赤くて長い葉柄があります。つる性ですが、よじ登りのための特別な巻ひげや吸盤などはなく、まばらに分枝する茎自体で他のものに巻つき、1mほどになりますが、地上部の寿命は短いようで、数年で地上部は枯れます。しかし地下茎を伸ばし先端から芽をだして生長する栄養繁殖をしているので、個体としては生き続けているのです。花期は5~6月で、雌雄異花で、長い花柄のある1~1.5cmの乳白色の花を葉腋につけます。雌しべが受粉して果実が成長するにつれて花托が伸びて房状になります。名前の由来は、種子を朝鮮から入れたことと五味子は果実が甘味、酸味、辛味、苦味、塩味の五つの味がするといわれることからです。 チョウセンゴミシは日本に自生していましたが、存在が知られておらず、江戸時代、享保年間に朝鮮から種を輸入したため、外国からの帰化植物のような名前になっています。このことは、平賀源内の『 物類品隲(ぶつるいひんしつ)』に、「種子を享保の頃輸入し、幕府の御薬園に栽培した。葉はアンズの葉に似て、蔓で伸びる。その実は南五味子に似ている。駿河国(するがのくに)産のものは朝鮮産に比べて異なるところはない。幕府の命により、駿河のものを採取して調べたところ、朝鮮産と同じものであることが分かり、それ以後は毎年駿河国産のものを幕府に献上している」とあります。 |
学 名 | Schisandra chinensis |
科 名 | マツブサ科 |
生 薬 名 | 五味子(ゴミシ) |
漢 方 | 小青竜湯 |
利 用 部 位 | 果実⇒秋に熟した果実を房ごと採取し、日干しします。よく乾燥したら手で揉んで果実だけを取り出します。 |
利 用 法 | 鎮咳に⇒五味子を1日量5~10gを煎じて服用します。 滋養強壮、疲労回復に⇒五味子300gをホワイトリカー1.8ℓに2ヶ月漬け、布で漉して用います。就寝前に1日量30mlを飲用します。 |
効 能 | 収斂、止瀉、強壮薬として各種の処方に配合されます。 |
成 分 | 果実の精油⇒(果肉に)α-、β-チャミグレン。(種子に)シトラール。 リグナン⇒シザンドリン、ゴミシンA~Hなど。 有機酸⇒クエン酸、リンゴ酸など。 |
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東邦大学薬学部付属薬用植物園 |