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東邦大学薬学部見本園

ウラル
カンゾウ
ロシアのウラル地方、モンゴル、中国北部に分布する耐寒性の多年草で、日当たりの良い乾燥した砂漠地帯や草原又は川岸の砂質の土地に自生しています。日本にはマメ科カンゾウ属の自生はありませんが、正倉院御物にも現存していることから、奈良時代に唐文化と共に生薬として渡来したと思われます。生薬カンゾウには本種のほかに、スペインカンゾウGlycyrrhiza glabra があり、総称としてカンゾウとされています。
草丈は30〜80cm、茎は直立し枝は帯木質で、奇数羽状複葉で狭長卵形か楕円形の葉を互生しています。花期は6〜7月、葉腋から総状花序に白みがかった薄紫色の花を多数密生します。
学   名 Glycyrrhiza uralensis 
科   名 マメ科
生 薬 名 甘草(カンゾウ)
漢   方 中国古代の薬物書「神農本草経」上巻に収められた最古の生薬の一つです。古くから甘味料として用いられ、生薬相互の作用を緩和・調和させる目的で漢方処方に配合されています。漢方では痙攣痛、腹痛、筋肉痛、咽頭痛などに広く用いられており (安中散、胃苓湯、芍薬甘草湯、甘草大棗湯など)漢方処方263のうち70%に用いられています。
利 用 部 位 根、地下茎(ストロン)⇒秋に根を掘りあげ、水洗いをして日干しします。
利 用 法 生薬原料、糖衣錠に、また食品の甘味料として菓子類や味噌やタバコの香味料などに用いられています。
咳、喉の痛みに⇒1日2回、甘草粉末を1回5gをそのまま水で服用するか、1日2回甘草5gを水600ccで煎じ3回に分けて服用します。
効   能 甘草エキス⇒顕著な胃液分泌抑制、消化器性潰瘍治療促進、鎮痙、鎮咳
グリチルサン⇒抗炎症、抗アレルギー 
成   分 根⇒グリチルリチン、アスパラギンブドウ糖、ショ糖 


ウラルカンゾウ 甘草

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