可換代数と組合せ論セミナー
Commutative Algebra and Combinatorics Seminar
可換代数と組合せ論セミナーは,可換環論や組合せ論,およびその周辺分野の専門家をお招きし,大学院生でも理解できるような基礎的な内容から,最新の研究結果までをじっくり時間をかけてお話ししていただく勉強会形式のセミナーです.
興味がある方は誰でも参加可能です.
次回のセミナー
第11回
ご参加の場合こちらより参加登録をお願いします(懇親会に参加希望の場合は10/11 (土)までに登録を完了してください).
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日時:2025年10月18日(土) 13:30~17:00
会場:東邦大学 習志野キャンパス 理学部III号館3階 3304教室
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講演者1:西村優作(早稲田大学)
講演時間:13:30~15:00
タイトル:Kneser彩色関数とツリーの完全不変量
要旨:
Stanley氏は彩色対称関数と呼ばれるグラフの不変量を考案し、これがツリーの完全不変量であると予想した。この予想は現在まで未解決である。一方、三枝崎氏らは彩色対称関数を一般化したKneser彩色関数を定義した。Kneser彩色関数は自然数kによるパラメータを持っており、特にk=1の場合、これは彩色対称関数と一致する。そこで、Kneser彩色関数がツリーの完全不変量となるパラメーターkは存在するのか、という問題が考えられる。本講演では、k=2の場合、Kneser彩色関数がツリーの完全不変量となることを紹介する。本講演の前半では、Kneser彩色関数に関する結果(Miezaki-Munemasa-Nishimura-Sakuma-Tsujie)を紹介し、後半ではk=2のKneser彩色関数がツリーの完全不変量になることを証明する。
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講演者2:高橋諒(東北大学)
講演時間:15:30~17:00
タイトル:次数付き Artin Gorenstein 環の Lefschetz 性について
要旨:
次数付き Artin Gorenstein 環は、Poincaré 双対性を持つ有限次元ベクトル空間であり、Macaulay 双対を通して多変数斉次多項式と対応する。
環の適当な元による掛け算写像がフルランクを持つことを Lefschetz 性と呼び、組合せ論における Sperner の定理に代数的な証明を与えるなどの応用が知られている。
本講演ではこれらの基本的な性質や、環が Lefschetz 性を持つか否かの判定方法について説明する。
その後、環を定める多項式としてグラフの基底母関数を用いた場合について、コンピュータによる計算で得られた結果などを紹介する。
特に、Lefschetz 性を持たない例が見つかっており、その計算手法や詳細についても述べる。
次回以降のセミナー
世話人
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土谷昭善(東邦大学理学部情報科学科)
長峰孝典(日本大学理工学部数学科)
連絡先
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土谷昭善(akiyoshi "at" is.sci.toho-u.ac.jp)
support info.
本セミナーは以下の助成を受けて運営しています.
- 若手研究 22K13890「非特異格子凸多面体に関連する代数的および組合せ論的諸問題の解決」(研究代表者:土谷昭善)
若手研究 25K17239「特殊線形群の作用を持つアフィン代数多様体の分類を利用した消去問題の研究」(研究代表者:長峰孝典)