可換代数と組合せ論セミナー
Commutative Algebra and Combinatorics Seminar
可換代数と組合せ論セミナーは,可換環論や組合せ論,およびその周辺分野の専門家をお招きし,大学院生でも理解できるような基礎的な内容から,最新の研究結果までをじっくり時間をかけてお話ししていただく勉強会形式のセミナーです.
興味がある方は誰でも参加可能です.
次回のセミナー
第10回
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日時:2025年7月26日(土) 13:30~17:00
会場:東邦大学 習志野キャンパス 理学部III号館4階 3404教室
講演者:久保田絢子(埼玉大学)
タイトル:The invariant Hilbert scheme and the Cox realization of nilpotent orbit closures in sl(n)
要旨
- アフィン代数多様体への簡約代数群の作用による圏論的商は一般に特異点を持つが、そうしたアフィン商多様体の特異点解消の候補の一つとしてinvariant Hilbert schemeが挙げられる。このときのinvariant Hilbert schemeの振る舞いは特異点の商多様体としての表し方に依存するため、対応するinvariant Hilbert schemeが特異点解消を与えるような表し方は何かを問うことができる。本講演ではこの問題を、特異点がそのCox環のスペクトラムへの準トーラスの自然な作用による商として記述されている場合に考察する。
最初にinvariant Hilbert schemeが考えられたのは作用している簡約代数群が連結群の場合であり、主にspherical多様体などの準等質多様体のモジュライを調べるためにAlexeevとBrionによって構成された。その後、Brion によって連結とは限らない場合にもinvariant Hilbert scheme の存在の証明が拡張され、invariant Hilbert scheme が特異点解消の文脈で研究されるようになったのはこの頃からである。講演の前半ではこうした背景について説明する。後半では、Cox実現のinvariant Hilbert schemeの問題を特異点がLie環sl(n)の冪零軌道の閉包の場合に考え、対応するinvariant Hilbert schemeが特異点解消を与える例を紹介する。
次回以降のセミナー
世話人
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土谷昭善(東邦大学理学部情報科学科)
長峰孝典(日本大学理工学部数学科)
連絡先
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土谷昭善(akiyoshi "at" is.sci.toho-u.ac.jp)
support info.
本セミナーは以下の助成を受けて運営しています.
- 若手研究 22K13890「非特異格子凸多面体に関連する代数的および組合せ論的諸問題の解決」(研究代表者:土谷昭善)
若手研究 25K17239「特殊線形群の作用を持つアフィン代数多様体の分類を利用した消去問題の研究」(研究代表者:長峰孝典)