可換代数と組合せ論セミナー
Commutative Algebra and Combinatorics Seminar
可換代数と組合せ論セミナーは,可換環論や組合せ論,およびその周辺分野の専門家をお招きし,大学院生でも理解できるような基礎的な内容から,最新の研究結果までをじっくり時間をかけてお話ししていただく勉強会形式のセミナーです.
興味がある方は誰でも参加可能です.
過去のセミナー
第5回
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日時:2024年11月9日(土) 13:30~17:00
会場:日本大学 理工学部駿河台キャンパス タワー・スコラ S201 (2階)
講演者:松下光虹(大阪大学)
タイトル:トーリック環のconic因子的イデアルと非可換クレパント特異点解消
要旨
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トーリック環上で定義されるconic因子的イデアルは非常に良い可換環論的性質を満たしている一方で、代数幾何や表現論など、可換環論にとどまらない様々な分野で重要な役割を担っている。
実際、いくつかのconic因子的イデアルの直和の自己準同型環が、元のトーリック環の非可換クレパント特異点解消(NCCR)になることがある。
本講演ではトーリック環とそのconic因子的イデアルに関する基本的な性質を述べたのち、conic因子的イデアルを用いたトーリック環のNCCRの構成について紹介する。
第4回
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日時:2024年9月17日(火) 13:30~17:00
会場:東邦大学 習志野キャンパス 理学部III号館4階 3404教室
講演者:前澤俊一(日本大学)
タイトル:辺着色グラフと関連する代数構造
要旨
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辺着色グラフとは,各辺に1色ずつ色の割り当てられたグラフのことである.
近年,グラフ理論では一般のグラフ(辺に色の塗られていないグラフ)で扱われていた問題を辺着色グラフの問題に拡張して考えるということが行われている.
本講演では,辺着色グラフの基本的な定義から始め,辺着色グラフのグラフ理論的な問題とマトロイドと呼ばれるベクトルの一次独立性を組合せ論的に拡張した概念の関係性について講演する.
第3回
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日時:2024年7月20日(土) 13:30~17:00
会場:東邦大学 習志野キャンパス 理学部V号館1階 5105教室
講演者:佐藤謙太(九州大学)
タイトル:2次元特異点と純非分離拡大
要旨
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代数閉体とは限らない体上の代数多様体をその基礎体の拡大体へとbase changeした時に, 特異点がどう振舞うかという問題を考える.
多くの場合, 体の拡大が分離的の場合には特異点は悪くならないことが知られているが, 非分離的の時にはしばしば特異点の様子が大きく変わる.
本講演では, 「2次元klt特異点」という特異点のクラスに関して, この問題を考える.
2次元特異点に対して定まる双対グラフの理論を中心に基礎から解説を行う.
第2回
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日時:2024年6月22日(土) 13:30~17:00
会場:東邦大学 習志野キャンパス 理学部V号館1階 5105教室
講演者:品川和雅(茨城大学)
タイトル:カードベース暗号の30年間
要旨
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秘密計算とは、複数の参加者がそれぞれ秘密の入力情報(例:貯金額)を持つとき、その情報を秘匿しながら所望の計算結果(例:貯金額の平均)を得ることのできる暗号技術である。通常、秘密計算はコンピュータ上での実装が想定されるが、物理的なカード組を用いて実現できることも知られており、その研究分野をカードベース暗号と呼ぶ。この分野は1990年頃に誕生し、これまでに約30年間、特に日本を中心に研究が進められてきた。本講演では、カードベース暗号の基礎的な内容から始め、この分野の30年間の発展を紹介する。
第1回
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日時:2024年5月18日(土)13:30~17:00
会場:東邦大学 習志野キャンパス 理学部III号館4階 3404教室
講演者:松井紘樹(徳島大学)
タイトル:三角圏のsupportと三角圏の幾何学
要旨
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可換ネーター環上の有限生成加群のsupportとは,加群に対してZariskiスペクトラムの閉集合を対応させるものである。1962年,Gabrielはsupportを用いて可換ネーター環の 有限生成加群のなすアーベル圏のSerre部分圏達をZariski スペクトラムの特殊化閉部分集合達と対応させることで完全に分類した。その後,様々な圏上の具体的なsupportの研究が盛んに行われ,特に三角圏上のsupport理論はthick部分圏の分類問題と関連して主要な研究対象となってきた.
本講演では可換環論や代数幾何学に現れる様々なsupport理論と,(テンソル)三角圏のある種の普遍的なsupport理論であるBalmerのtensor triangular supportおよび講演者によるtriangular supportについて解説する。