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東邦大学薬学部見本園

カンアオイ 関東地方南部の千葉、東京、神奈川以西の山地の樹下に自生する常緑多年草です。冬でも葉が緑で、葉形がフタバアオイに似ることが名前の由来です。根茎は地上近くを斜めに匍匐し、多節、多肉です。茎は短くよく分枝しており、茎の先に一葉一花をつけます。葉は緑色で卵状楕円形から卵円状で、雲紋状斑がありその形状は多様です。開花期は10月〜2月、暗紫色の花をつけます。
江戸時代にはカンアオイの葉に出る斑紋を鑑賞するための手引き書や名品宝鑑などが出版されたほどのブームとなりました。現在でも古典園芸植物として、愛好家の間では、高値でとりひきされているものもあります。
生薬では、ウスバサイシンも細辛(サイシン)として用いられますが、カンアオイはウスバサイシンほどの香気はないため、細辛には及ばない下品という意味を込めて土細辛(ドサイシン)といわれます。
学   名 Asarum nipponicum 
科   名 ウマノスズクサ科
生 薬 名 土細辛(ドサイシン)
利 用 部 位 根茎⇒秋から冬の開花期に、根茎と根を掘りあげ、水洗いをして陰干しにします。
利 用 法 鎮咳⇒1回5〜10gを、水300ccで半量になるまで煎じて服用します。
効   能 水性エキス⇒鎮咳作用
精油⇒鎮静、解熱、鎮痛作用
成   分 地下根茎と根⇒アミノ酸のピペコール酸を含みます。
地下茎と根茎の精油⇒メチルオイゲノール、サフロール、エレミシンなど。最近では精油中に血圧降下や催眠作用のあるプロベニールベンゼン系の成分を含有するという報告もあります。


カンアオイ カントウカンアオイ

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