外来種に関する研究

研究概要
日本だけでなくヨーロッパやバハマ諸島など世界各地に侵入している北中米原産のアライグマは、日本では特定外来生物に指定されており、千葉県でも、1990年代に侵入し、現在では多くの市町村に分布を広げています。
千葉県南部のアライグマを対象にミトコンドリアDNAの解析を行い、最低でも2回以上の侵入があったことを示唆する結果を得ました。さらに、千葉県全体に解析を広げ、核DNA上のマイクロサテライト領域の解析も加えることで、最低3回の侵入があったことを明らかにし、遺伝構造の結果から管理ユニットに関する提案も行いました。
また、ネズミ駆除の目的で、もともと生息していなかった日本の多くの島嶼に導入され、国内外来種となっているニホンイタチの解析も進めています。伊豆諸島では、伊豆大島には在来種のイタチが生息する一方、三宅島や八丈島では国内外来種のイタチが確認されています。
糞を用いた調査の結果、糞の相対数は外来個体群である三宅島の方が、在来個体群の伊豆大島よりも多いと推定されました。このことから、ニホンイタチは外来地域で生息環境を拡大し、生息密度を上げている可能性が示唆されます。さらに、三宅島の一地域では糞DNAを用いた密度推定も行い、1平方キロメートルあたり約20頭が生息していると推定されました。研究の詳細については、大学が公開しているプレスリリースをご参照ください。

