国内哺乳類の生態・社会に関する研究

研究概要
ニホンザルやニホンジカなど直接観察できる種以外の哺乳類の生態や社会に関する研究は相対的に進んでいません。
ヒトのようにペアを形成し、一夫一妻の社会をつくるタヌキに着目して、研究を進めています。身近な種ではありますが、基本的な情報である密度に関する報告は少なかったため、DNA標識再捕獲法という近年発展してきた方法を使って、タヌキの密度推定を行い、外来種として侵入しているヨーロッパより密度が高いことなどを明らかにしました。
ニホンカモシカはタヌキのように雌雄がペアで行動することが多いわけではありませんが、基本的には一夫一妻であることが知られています。しかし、食物量が豊富な浅間山の高山草原地域では、一夫多妻の配偶様式をとることが示されています。私たちは、この高山草原地域と中標高の森林地域との間で、遺伝的交流がどの程度行われているのかを糞DNA解析によって明らかにしました。
その結果、両地域間では個体の移動が制限されている可能性が示され、こうした分散の制限には両地域における食物環境の違いが影響していると考えられました。また、配偶様式は分散の性差に影響すると報告されていますが、一夫一妻の森林地域だけでなく、一夫多妻の高山草原地域においても、哺乳類で一般的にみられる「オスに偏った分散」は確認されませんでした。研究の詳細については、大学が公開しているプレスリリースをご参照ください。
その他、ニホンノウサギなど、多くの哺乳類を対象に研究を進めております。

