HPLC (Agilent 1100 シリーズ) 簡易操作マニュアル

準備・条件設定など

茶色のボトル:有機溶媒 (アセトニトリルまたはメタノール)
無色のボトル:水系溶媒(蒸留水または緩衝液)
溶媒はHPLC用を3 L単位で購入し使っている。ミリポアのメンブレンフィルター(45 um)を通して吸引ろ過後、10分程度の超音波照射で脱気する。オンラインデガッサが付いているが、超音波で脱気した方がいいと思う。ろ過びんを超音波洗浄器に浸けて、吸引しながら脱気するのがもっともよい。メンブレンフィルターは、メタノールと水のろ過にはセルロースアセテート(安い)が使える。アセトニトリルのろ過にはPTFEを使う。セルロースアセテートでは溶けてしまうので。フィルターは何回か使えるが、目詰まりしてくると、ろ過のスピードが極端に遅くなるので交換する。
流速:1 mL〜5 mL/ minまで
カラム圧力:400 kgf/ cm3まで(装置のリミットは400 kgfに設定するが、実際には150 kgfを超えたらカラムの目詰まりを疑う)
カラム温度設定:80℃〜室温-10℃まで
フォトダイオードアレイ検出器(UV):180〜975 nm
蛍光検出器:200〜700 nmの励起光、280〜900 nmの発光

電源入れ

CRT、プリンタ(電源)
ハード(電源)
NTログオン(ユーザー名:chemist、パスワード:bhc)
CAG Bootp Serverモの立ち上げ(閉じてはいけない)
各HPLCモジュール(電源)
イニシャライズの確認
装置1オンラインモをダブルクリック
ケミステーションの起動

分析準備

1:溶媒の調製後、フィルターでろ過
2:ポンプヘッド内の気泡抜き(長時間オフになっていたとき)
3:ランプ点灯
4:ヒーターブロックの温度コントロールをオン
5:カラムが設定温度になったら、ポンプをオン
6:送液の圧、DAD、FLDが安定後(ONにしてから約30分後)、分析がで きるようになる。
  以上(参考:ケミステーション基本操作マニュアル 3-2)

分析(1サンプルのみ)

1:サンプル情報(サンプル名、測定条件(溶媒)、サンプル濃度など)
2:ベースライン、システム圧力が安定している事を確認
3:メソッドラン (F5)をクリック
4:サンプルをインジェクト
5:分析の終了時に、ラン/注入/シーケンス中止 or 終了 (F8)をクリック →レポート報告される(c\hpchem\1\dataの中に保存される)
6:次のサンプル情報
7:F5
8:サンプルをインジェクト
9:F8   →レポート報告される
  * 6〜9をくり返す (注):蛍光ランプは1回の分析ごとに消灯される。しかし、サンプルをインジェクトすると、自動的に点灯される。

データ解析(参考:ケミステーション基本操作マニュアル 6-1〜16)

1:データ読み取り 2:積分 3:定量(検量線とか)

電源切る

ケミステーションを終了
CAG Bootp Server をOFF
NTの終了
ハードとCRTの電源を切る
各HPLCの電源を切る

メソッドの編集

メソッド → 新規メソッド → メソッド全体の編集
    装置の設定
     ・メソッド情報
     ・ポンプ設定(流量、溶媒の%、グラジエント)
     ・カラムコンパートメントの設定(カラム温度)
     ・DADの設定(UV-visの波長)
     ・FLDの設定(蛍光の波長)
    データ解析関連
     ・シグナル詳細(積分、レポート報告したいシグナルを設定)
     ・積分イベント(積分の仕方を変える)
     ・レポート条件(レポートの出力先(プリンタとか)などを決める)
     ・モニターカーブ(分析時の状態を重ね書きする)
     ・ランタイムチェックリスト(データの取り込みや解析などを行うか決める)
  → メソッドの保存

(関連)

メソッド → 「メソッド全体編集」において、「積分イベント設定」で、積分する際の積分限界などの設定を行う。
・Slope: Peak width:保持時間がある幅以下のものは積分しないようにする設定。
・Area Reject:設定した数値以下の積分は読み取れないようにする。よっ て、手動積分で積分できなかったら、この数値を下げること で読めるようになる。
・Height Reject:設定した数値以下のピーク高以下のものの積分は行わない ような設定。
  以上(参考:ケミステーション基本操作マニュアル 2-1〜38)

(付け足し)

測定中にデータ解析を行うときは、オンラインとオフラインの両方を立 ち上げて、オンラインでは測定を行い、オフラインでは解析を行う。
積分の解析画面(図1を押す) 図2:拡大 図3:消去 図4:手動積分、図5:ベースラインを引いて、ベースラインの上にある面 積と下にある面積を同時に積分、図6:積分面積を分割する、図7:積分消去

重ね書きの時(図8を押す)
1:重ね書きしたいシグナルを表示するために、図9を用いてデータを開く。
2:重ね書きに必要のないシグナルは、図10で消す。
3:図11を押す事で、重ね書きができる。
4:シグナル重ね書きオプション  
 シグナル間のタイムオフセット→シグナルを横にずらす。  
 シグナル間のレスポンスオフセット→シグナルを縦にずらす。
5:重ね書きしたデータの編集。  図12:文字を書く、図13:文字を動かす、図14:図15を消した り表示したりできる、図16:重ね書きデータのコピー
6:コピーしたデータは、ペイントで編集する。
7:編集したデータは、FDでの保存のみとなるので、保存形式を「白黒」にしなければ、重たくてFDに入らない。

スペクトル解析(参考:ケミステーション基本操作マニュアル 7-1〜28)
1:スペクトルオプション
2:スペクトルの表示、印刷
3:純度チェック
4:等高線表示
5:三次元表示
6:スペクトルライブラリサーチ

参考文献

 

 


お問い合わせ:東邦大学理学部生物分子科学科 古田寿昭
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