PKCのキナーゼ活性の測定  

用いる試薬など

Pep Tag PKC Reaction 5X Buffer
100 mM HEPES, pH7.4
6.5 mM CaCl2
5 mM DTT
50 mM MgCl2
5 mM ATP
Pep Tag C1 Peptide   P-L-S-R-T-L-S-V-A-A-K 0.4 μL水溶液
PepTag PKC Activator 5X solution
1 mg/mL phosphatidyl serine 水溶液
Protein Kinase C (2.5 μg/mL PKC dilution buffer 溶液)
PKC dilution buffer 100 μg/mL
bovine serum albumin(BSA)
0.05% Triton X-100

50 mM Tris-HCl緩衝液 (pH 8.0)の調製

1 Lビーカーに、Trisを3.029 g入れ、150 mLほどのイオン交換水で溶かした。これを、500 mLのメスシリンダーに移し、イオン交換水で500 mLにした。これをさらに1 Lビーカーに戻し、撹拌しながら、1 M HCl水溶液でpH 8.0へと調製した。

0.8%アガロースゲルの作成

100 mLビーカーに0.32 gのアガロースを入れ、50 mM Tris-HCl緩衝液 (pH 8.0)を加えた。これを80℃付近まで温め、アガロースを完全に溶かした。60℃前後まで冷やし、溶液をゲルメーカーセットへと流し込んだ。ゲルの中央を横切るようにコームを差込み、数十分放置しゲルが固まるのを待った。ゲルが固まったのを確認した後、コームを引き抜き、0.8%アガロースゲルが作成された。しばらく使わないゲルは、Tris-HCl緩衝液で浸しラップをかけ室温で保存した。

PKC活性化剤の調製

diC8、Bhc-diC8、Bn-diC8およびMOMBhc-diC8は、酵素実験の直前に調製した。予め分注され冷凍庫に保存しておいた10-2 M DMSO溶液を解凍し、10 mM KMOPS(pH7.2)水溶液を1mL加え100μMとした。

PKC酵素反応

氷に差し込んで0℃に保った0.5 mLエッペンドルフチューブに、以下に示す試薬を入れ、イオン交換水で全容量 が25 μLになるように調製した。詳しくは、第2章、第3節を参照のこと。
Pep Tag PKC Reaction 5X Buffer 5 μL
Pep Tag C1 Peptide 5 μL
PKC活性剤 (実験による) 5 μL
Protein Kinase C(2.5 μg/mL PKC dilution buffer 溶液) 4 μL
IEW 全容量が25 μLになる量
*PKC活性化剤は、溶液が均一になるよう、溶液をよく振ってから入れた。 それぞれのサンプルをボルテックスミキサーにて撹拌後、遠心分離機に数秒かけ溶液を全てエッペンドルフチューブの底に集めた。これを30 ℃のウォーターバスで30 分間保温した後、95 ℃のヒーティングブロックに10 分間入れ、酵素を失活させ反応を止めた。各サンプルに、80 %グリセロールを1 μL加え、酵素反応のサンプルを完成させた。

電気泳動

ゲルをゲル板ごと泳動層に移し、50 mM Tris-HCl緩衝液 (pH 8.0)をゲルが浸る程度まで泳動層に注いだ。ウェルにサンプルを8 μLずつ入れ、100 Vで15分間泳動した。  泳動後、トランスイルミネーターを用いてUVを照射してゲルの写 真を撮り、PKC活性を定性的に判断した。

リン酸化を定量する場合

電気泳動
ゲルをゲル板ごと泳動層に移し、泳動層に泳動用緩衝液(50 mM Tris HCL緩衝液 pH8.0)をゲルが浸る程度入れた。ウェルにサンプルを16 μl入れた。 電源をつなぎ、100 Vで15分間泳動した。その後、すばやくUVを照射して写 真を撮り、ゲルのバンドを約125 μlずつ切り出した。

UV・蛍光測定
1.5 mLのエッペンに、ゲルを約125 μlずつ入れ、95 ℃に加熱してゲルを溶かした。全てのサンプルが同量 になるように蒸留水を加えてvolumeを合わせた。別の1.5 mLのエッペンに、酢酸100 μl、Gel solubilization solution 75 μl ,蒸留水200 μl、調製したゲル水溶液125 μlを順次いれ、ボルテックスで撹拌した後、遠心しサンプルを調製した。 セル長5 mmの石英硝子セル(T-18M-UV 5,日本石英硝子株式会社)を用いて、570 nmの吸光度をそれぞれ測定し、さらに、セル長10 mmの石英硝子セルを用いて、蛍光を測定した。(励起波長:530 nm、蛍光開始波長:550 nm、蛍光終了波長:750 nm)

参考文献

 

 


お問い合わせ:東邦大学理学部生物分子科学科 古田寿昭
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